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夕凪の街 桜の国
夕凪の街、桜の国オフィシャルサイト
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あらすじ
昭和33年広島、皆実(麻生久美子)は同僚の打越(吉沢悠)から求愛されるが、
彼女は被爆した心の傷と、自分が生き残った罪悪感に苦しんでいた。
やがて、皆実に原爆症の症状が現れ始める。
半世紀後、皆実の弟の旭(堺正章)は家族に黙って広島へ向い、
父を心配した七波(田中麗奈)は、後を追う内に家族のルーツを見つめ直す。


「夕凪の街」「桜の国」の2部構成。
「夕凪の街」は終戦から13年経った広島、「桜の国」は現代。
家族のルーツというよりも、原爆について考えさせられた。
今まで原爆について語られるときは、
必ずきのこ雲の映像や被爆後の人を映した写真がはさまれていたように思う。
しかしこの作品ではリアルな映像ではなく、人により描かれた絵がはさまれる。
皆美(夕凪の街)に「戦争はいけないことだ」と言わせず、
「誰かに死ねばいいと思われた」と言わせる。
銭湯のシーンでは火傷の痕を映しながらも「みんなあの話題にふれない」と言わせる。
七波には
「母親が(血を吐いて)死んだとき原爆のせいだなんて誰も教えてくれなかった」と言わせる。

戦争ばかりにスポットを当てている作品ではないにもかかわらず、
なんか猛烈にリアルを感じてしまった。
私の故郷である北九州市は「たまたま曇っていたから」原爆投下を免れた町である。
もしあの日、北九州市上空に雲がなかったならば、
私の祖父母達が「誰かに死ねばよかったと思われたんだ」と言っていたのだろう。
by nanan4717 | 2007-09-03 15:22 | 映画・本・舞台


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